【過去日記】ジョーカー(2019.10.29.)

【タイムスリップ忘備録:2019.10.29.の記録】


ジョーカー見てきた。
賛否両論で賑わっていたので、気になって映画館へ。
もっと観た後テンション下がるかと思ってたけど、
面白かったです。

ただ、映画のテーマのどこに着目して見るのか、
それによって全然違う見え方をしてくると思う。
それが賛否両論の原因なのだけど。
主人公であり、のちにジョーカーとなる
社会的弱者の青年・アーサーのどこに着目するかでも変わる。

この物語を「面白い」などと言うと
悪趣味な人間だと思われる風潮があるので、
どこが面白かったか残してしおこうと思う。


まず、この物語は主題が複雑なので、1つに絞ることにした。
それは、この物語の中で主人公であるアーサーの、
「抱える問題が解決するのか」 
ということ。
ひたすらそこに注目して鑑賞する。

アーサーはコメディアンになるという夢を追う青年で、
他人に理解されたい(愛されたい)と切望している。
(これが彼の抱える問題である。)
しかし彼は現実に痛めつけられ絶望し、妄想と憤怒に突き動かされ、
ジョーカーとなっていく。

彼の怒りと比例するかの様に起こる惨事は、
社会に痛めつけられ、重い重しと鎖でがんじがらめになっていた
彼自身の意識のベールを何枚も脱がせていく。
ジョーカーは軽やかなステップで踊る。
重しを脱ぎ捨てて、どんどん軽くなっていく。

ラストの病院のシーンで彼は
「君には理解できないさ」
とカウンセラーに笑ってみせる。

「理解されたい」と切望していたアーサーが
自分のことなど誰も"理解できない"
という境地に辿り着いていた。

悲しくもシニカルな着地点だ。
アーサーは、
「理解されなくていい」
という答えを見出したのだ。

それは、
今まで自分の存在意義を他人に求めていた彼が、
自分を自分で認めたということ。
まさに、他人に自分の評価を委ねるな!
というやつ。

その後、病院でおどけながら追いかけっこをする彼は
“I used to think that my life was a tragedy,
but now I realize it’s a comedy.”
人生は悲劇だと思っていた。だが、これは喜劇だ。
このセリフを体現している。

喜劇=comedy
あれ?
もしかしたら彼の夢は叶ったんじゃない?
"コメディアン"になれたんじゃない?

これは皮肉な物語なのだ。

そして、こういった主題が幾重にも重なり、
始まりに問題が示され、終わりにひねくれた答えがある。
それらをお洒落な映像と演技、音楽が彩る。
そりゃ、面白いでしょう?



最後に、
実はダークナイトのジョーカーのファッションが好きだ。
紫のベルベットのコートにグリーンのベストがマジお洒落。
パイソン柄のワイシャツにネクタイもカッコイイ。
お洒落オブお洒落、優勝! 

おまけに2011年に描いたジョーカー置いておきます。
(しかもモノクロ笑)







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イラストレーター・マンガ家:瑞絵-mizue-
公式サイト:www.hane-pen.net
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